皆さんはキャンプをしたことがありますか?
今までキャンプの多くは、家族やグループでいつもとは違うひと時を過ごすことで、結束や理解を深めるツールであったり、子供の教育の場であったわけですが、近年では一人で行うソロキャンプが流行ってきています。また対照的に、グランピングと言うテント型ホテルも流行っていて、アウトドアの方向性がたくさん産まれていますね。
キャンプ思想の歴史
キャンプと言う単語がいつごろから使われているのかは判りませんが、明治頃にはスポーツ・教育としてのキャンプが行われていた事が書かれています。
日本のキャンプはYMCA、ボーイスカウトの影響を強く受け、戦後のGHQの指導もあり、70年代頃まで盛んに行われたサマーキャンプとキャンプファイヤーの組み合わせは多くの人が経験した所と思います。これを見るに、キャンプは「野外実習、団体行動の訓練」と言った見方が強く思われます。
キャンプファイヤーが廃れてしまったのは悲しいですね
70年代になるとオートキャンプが普及、車で行ける気軽なレジャーとして大衆に普及しました。世の中も段々と週休二日制へと移行し、家族での土日キャンプと言うものが定着、この頃のキャンプは「普段行動を共にできない家族の接点を作り、理解を深める」ものになったと感じています。しかし、休日と野外の開放感ばかり注目され、マナーの悪いキャンパーが増えたこともあり、「自然への理解」とは遠いものになってしまった印象も受けます。
でもみんなで大騒ぎするのもキャンプの大事な文化です
90年代になるとキャンプ、アウトドアはマイナーな趣味の一部となり、近年まではあまり注目されないものとなってしまいました。しかし、バイクでのツーリングキャンプや登山など、より深い趣味へと昇華する一端にもなります。また、BBQなどの文化はそれ単体で行われるようになり、外でご飯を食べると言うものは珍しくなくなりました。
また日本でもヒッピー文化やレイブ文化から派生した野外イベント、フェスなどが一般にも浸透し始め、外で音楽を聴きながらキャンプすると言った方向性も出始め、「自然と一体化する」「自然回帰」と言った思想が珍しいものではなくなって来ます。
レイヴ、音楽フェスは形を変えながらも現代でも続いています
ヒッピー的キャンプ・・・でしょうか(笑)
そんな中、キャンプシーンのハードルが大きく下がるグランピングが登場します。これは今までのキャンプとは異なり、用意片付けの面倒さ・運ぶ苦労・用具準備の必要性を削った新しい形態です。
ドッグフリーサイト グランピング(千葉県東金市)
いやいや、用意するところからキャンプだろ!と言う意見も最初はかなり多かったわけですが、実際に大きな車、高価なキャンプ用品をわざわざ用意しなくてはならない事がかなりハードルを上げていたわけで、家族でもグループでも気軽にキャンプが楽しめるようになったわけですね。費用は掛かりますがホテルに泊まったと思えば・・・
ともあれ、用意することにご執心で、子供たちや仲間との語らいの時間を短くしてしまう問題はお金で解決できる時代になったわけです。なんとも現金な話ではありますが。
ドッグランや温泉が併設されるなど、ただ楽なだけではなく、キャンプの楽しみ方の幅が広がったことも特記すべきことです。
さて、またここでキャンプが注目されるものが出てきました。それはアニメ・漫画であります。
ゆるキャン△ 出展:http://www.dokidokivisual.com/comics/book/index.php?cid=1105
冬にソロキャンプするのが好きな主人公とみんなで外ご飯するのが好きな主人公の物語
主人公の一人リンが、冬は虫が多いし人が多いし、と言う場面が現代のキャンプ文化に一石を投じているようにも感じますね。
ヤマノススメ 出展:http://www.yamanosusume.com/1st/
登山好きな主人公たちの物語
ヤマノススメはどちらかと言えば登山中にビバークすると言うものでキャンプでは無いですが・・・
正直、アニメを見てキャンプを始める人たちがいるのか疑問ではございますが、インドア代表趣味であったアニメ・漫画においてもなぜか注目される時代となっているわけですね。
私はキャンプには「気軽に人間が自然の一部になる事ができるもの」と言う思いでもって接しています。
今日自然と相まみえることが減り、まるで人間が自然から乖離したものになっています。しかし、人間は植物が生み出した酸素を吸い、大地の恵みを食べ、山に落ちる雨を飲んでいます。自然に感謝し、我々はこの一部であると感じる機会を持つことは大変すばらしいことです。
都会に暮らしていると自然は人間の為にどうするか、と考えがちですが、大自然で暮らすとその視点は都会特有のものであると気が付きます。自然は常に、あなたを見て、あなたに尽くしてくれている母のような存在です。
私が知る限り、自然が嫌いな人は余り居ないと思っています。もちろん虫が嫌い、不便なのは嫌と言う人はたくさん居ます。ただ、疲れた時に大自然の美しい風景を見てゆっくり風を感じる事が大嫌いと言う人間はどれほどいるでしょうか。
大自然の中で文明を捨てて生きることはできなくとも、土日にキャンプをすると言う文化はいつの時代になっても、人にとって大切な時間の使い方だと思います。
ただ自然で遊ぶだけでなく、泊まること。人が作った時間の流れから少し離れ、人が作った街並みから少し外れ、普段は見ない夕日や朝日をゆっくり眺め、そんな過ごし方はストレスを和らげるだけではなく、人のあるべき姿を思い出させてくれることでしょう。
人によって自然の定義や、キャンプの考え方はそれぞれだと思います。しかし、自然と戯れる時間、普段とは違う仲間との時間の過ごし方はとても有意義なものです。
また、キャンプでの新たな出会いと言うものが、これからの日本社会に必要になっていくと確信しています。昔よりもインターネット、SNS文化が進んだこともあり、一期一会の出会いがその場限りのもので無くなっていると言うのは重要な視点となります。もちろん注意すべきことも多いですし、それが狭苦しく感じてしまうようでは困りますが。
キャンプは姿形を変えながら、次の時代に進んでいきます。
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